概要

「ラテンアメリカフォーラム」は、ラテンアメリカをめぐる、活発な交流の場を提供することを目的に設立されました。交流は裾野のひろい活動を目ざしています。ラテンアメリカを対象として研究している者のあいだだけでなく、研究者とラテンアメリカに関心を持つ社会や一般の方々とのあいだ、また日本と日本以外の国・地域でラテンアメリカに関心をよせる人々とのあいだでの交流です。そうした交流の一大ハブとなることが目標です。

ラテンアメリカは、日本からみると、地球の反対側にあるため、日常的にはその存在を感じにくい地域です。しかし、戦前を中心に、日本からラテンアメリカへ移住した人々とその子孫がいるブラジルやペルー、メキシコ、ボリビア、パラグアイといった国がラテンアメリカにはあります。戦後期における経済の復興と発展の過程で、日本とラテンアメリカは関係を深めました。近年は、ラテンアメリカ産の商品が日本でも目につくようになりましたし、日系人の日本へのデカセギといった現象も起きました。

地理的な距離や関係の新密度が低かったことの反映ではありますが、アジア諸国との関係で何らかの形で争点となる「歴史問題」は、日本とラテンアメリカの関係には存在しません。くわえて、戦後の日本のあり方、そして一部の国では日系人の方々による現地社会へ貢献する努力を背景に、ラテンアメリカにおける日本の好感度はきわめて高いレベルにあります。

他方、ラテンアメリカは、その近接性も手つだって、アメリカ合衆国の学術研究にとっては、重要な参照事例となってきました。古い話ですが、黄熱病の研究で、アメリカ合衆国の研究所で働いていた野口英雄が最初に行ったのはラテンアメリカでした。現在では「ナショナリズム論の古典」とされるベネディクト・アンダーソンの『想像の共同体』が、(その成否はともかくとして)分析の原点をララテンアメリカに置いていることはよく知られています。

日本にとって、ラテンアメリカは、さまざまな分野において関係を深化させる無限の可能性をひめています。そうした深化のために、本フォーラムがすこしでも貢献できるよう、関心を持たれている方々とともに、尽力していきます。

世話人一同

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